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酒税改正が市場に与える影響は?サントリーは2020年をこう闘う

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酒税改正が市場に与える影響は?サントリーは2020年をこう闘う

ビール会社にとって大きな節目の1つとなる、酒税改正が実施される2020年。
様々な思惑がある中、サントリーの戦略発表会の取材依頼があったのでお邪魔させてもらった。

酒税改正によって市場の構造はどう変わるのか。
実際ビールや新ジャンルはどのくらい値段が変わるのか。

 

既存商品のブラッシュアップはもちろん、新商品も色々と考えているようだ。

今回は「酒税改正が市場に与える影響は?サントリーは2020年をこう闘う」と題し、サントリーが考える市場構造の変化や発売前の新商品を飲んだ感想などをまとめていこうと思う。

酒税改正により、ビールの値段はどう変わっていくのか?

ビール業界における2020年の一番の話題は、何と言っても酒税改正
税率は2020年、2023年、2026年と段階的に変わっていく予定となっており、2020年10月の酒税改正はその手始めと言える。

非常にわかりやすく言うならビールは安くなり、俗に言う”第三のビール”の新ジャンルは高くなる。

 

金額の推移について、サントリーではこのように予想しているそうだ。

現在ビールと新ジャンルでは75円~80円程度の価格差があるが、最終的にはビールと新ジャンルで25円~30円程度、新ジャンルとノンアルコールで25円~30円程度の価格差に落ち着くとのこと。

とりあえずサントリーの新ジャンルの主力商品である金麦は、2020年10月の酒税改正で10円程度上がる予定だそうだ。

 

そんな金麦は酒税改正前に色々な施策を考えているようで、個人的に驚いたのは季節ごとに少し味を変えること。

季節によって味の感じ方は違うし、合わせる料理も異なってくるということで、四季に合わせて味をととのえるそうだ。
これはぜひ飲み比べとかをしてみたい。

そして、CMキャラクターが石原さとみさんに変わった。

https://www.youtube.com/watch?v=1uC0usT8Xy8

長らく檀れいさんが務めていて、その後は木村拓哉さんなども出たが、プレモルのCMでもおなじみの石原さとみさんとは。
好みはあるだろうが、とりあえず可愛いとは思う。

 

絶えず変化を続けるビール市場。消費構造はどう変わっていくのか

若者のアルコール離れなどもあり、現在はビール市場も含めてなかなか厳しい状況に陥っている。

2019年のビールの販売推計は、全体では1%程度落ち込んだ。
ただそんな中にあってサントリーは、全体で5%ほどの伸びとなっている。

ただ、大きくビール類となってはいるが、ビールは新ジャンルの半分以下の販売実績にとどまっている。
そしてアルコール市場におけるビールの立ち位置も、以前と比べればかなり変わったそうだ。

 

1997年頃はビールと発泡酒だけでアルコール市場の七割ほどを占めていたが、2018年になるとビール、発泡酒に新ジャンルまで合わせても六割を切っているんだとか。

好みが多様化していることは数字でも実際に表れており、以前のようなビール市場が復活することはおそらく無いと思われる。

 

ただ、そんな状況に手をこまねいているわけでもなく、どうにか横ばい、微増を狙って施策は打つとのこと。
起爆剤になるほど楽観視はできないが、酒税改正によって安くなるビールはアピールをしやすいだろう。

 

既存ブランドでの勝負を選んだサントリー。新商品で風穴を開けたいサッポロ

ただ、当たり前だが会社によってやり方は違うということを改めて感じる。

それというのも私は先日、サッポロの新商品発表会に参加してきた。
2019年の話にはなるが、時間としてはたったの1月前。

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まあ、新商品発表会と銘打ちながらも、当然2020年の販売戦略の話にもなった。
発表会の開催時期もそうだし、新商品の発売自体も2020年2月4日。

 

記事にもまとめたが、サッポロは「麦とホップ」という新ジャンルのブランドがあるにも関わらず、ゴールドスターという同じく新ジャンルの新商品を発表した。

しかもそれは、サントリーのからだを想うオールフリーのような機能性食品でもない。

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サントリーは味のバリエーションはあるもののビールはプレモル、新ジャンルは金麦とハッキリしている。
対してサッポロはビールはヱビス黒ラベル、新ジャンルは麦とホップゴールドスターというツートップ戦略を展開する。

ちなみにサントリービール株式会社の西田社長は新ジャンルの今後について、「上位ブランドがより多くのシェアを占め、下位ブランドは淘汰されていく」と予想。

 

サントリーの予想通りになるのか、サッポロが新ジャンルの新商品で上位ブランドに割って入るのか。
他のビール会社ももちろんだが、実際に話を聞いたからこそ今後が非常に興味深い。

 

成長を続けるレモンサワー市場と、サントリーのRTDを単体でひっぱるこだわり酒場

そして健康志向の影響もあるのか、昨今はレモンサワーの勢いが本当に凄いようで。

レモンサワーの2019年における市場の推計は2,523万ケースで、前年比117%。
サントリー単体で見ると、なんと前年比150%なんだそうだ。

サントリーにおいてレモンサワーが大幅な伸びを見せるきっかけを作ったのは、こだわり酒場のレモンサワー。
当サイトでも以前に記事にまとめた。

レモンサワーに絞って比較すると、なんとストロングゼロよりも出荷数量が多い。

そういう背景を受けて、こだわり酒場のレモンサワーでもバリエーションを増やそうということで、こだわり酒場のレモンサワー<キリッと男前>という新商品が発売されることになった。

 

「こだわり酒場のレモンサワー<キリッと男前>」を一足先に試飲した感想

この日は「こだわり酒場のレモンサワー<キリッと男前>」を一足先に試飲させていただいた。
こちらの発売は2020年3月17日(火)

スタンダードな「こだわり酒場のレモンサワー」自体アルコール度数7%なので、ビールなどに比べれば高いほうだが、<キリッと男前>は9%。
ストロングゼロと同じである。

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ちなみにこちらのパッケージは、ブラッシュアップされる可能性もあるとか。
コップに注ぐとこんな感じ。

まあ、違いはわからない。
しかし、飲んでみるとかなり違い、アルコールがガツンと来る。

レモン感はあるもののアルコールが先に立ち、ストロングゼロのレモンと比べてもレモン感は抑えめな気がした。

 

程よくすっぱく、ガツンとアルコール。
好きな人はきっと好きだと思う。

こだわり酒場のレモンサワーの、今後の更なる成長が予感できた。

 

まとめ

いかがだっただろうか。

サントリーが考える2020年のアルコール市場について、下記の通りまとめてきた。

 

・酒税改正により、ビールの値段はどう変わっていくのか?
・絶えず変化を続けるビール市場。消費構造はどう変わっていくのか
・既存ブランドでの勝負を選んだサントリー。新商品で風穴を開けたいサッポロ
・成長を続けるレモンサワー市場と、サントリーのRTDを単体でひっぱるこだわり酒場
・「こだわり酒場のレモンサワー<キリッと男前>」を一足先に試飲した感想

 

2020年はオリンピックイヤーでもあり、きっとアルコールの消費は例年よりも増えることは間違いない。
サントリーだけでなく、きっと各社が様々な仕掛けを考えているはず。

私やキミはそれを色々見ながら、単純に楽しめば良いと思う。

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