十人十色。
三者三様。
蓼食う虫も好き好き。
人の数だけ解釈はあり、ストーリーが存在する。
視点や解釈は多ければ多いほど、人生はより良いものになると個人的には思っている。
1つよりも2つ、いや、4つが良い。
今回は「サッポロとクラフトブルワリーの強力タッグクラフトブルワリーとの共創プロジェクト「ホッピンフレンズ」」と題し、サッポロとクラフトブルワリーとの共創プロジェクト「ホッピンフレンズ」と、その第1弾ビールについてまとめていこうと思う。
1人の人生ストーリーを4種のビールで表現する「ホッピンフレンズ」
サッポロが2018年にスタートさせたHOPPIN ’ GARAGE(ホッピンガレージ)というプロジェクト。
魅力的な人々の人生ストーリーとサッポロの醸造技術をかけ合わせる「ストーリーブルーイング」という製法を使い、これまでにいくつもの個性的なビールを生み出してきた。
当サイトでも詳しいプロジェクトの内容を含め、いくつかのビールをご紹介しているので良かったら記事を読んでみてほしい。
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そんなホッピンガレージの発展型として展開される「ホッピンフレンズプロジェクト」。
平たく言えば今まではサッポロだけでやってきたことを、ほかのクラフトブルワリーも巻き込んでやってしまおうというプロジェクトである。
1人の人生ストーリーからオリジナルビールが出来上がるだけでも十分に面白かったが、2023年2月20日に登場する第1弾ではサッポロの他に六甲ビール、わくわく手づくりファーム川北、ヘリオス酒造という計4つのブルワリーが参加。
記念すべき最初の人生ストーリーは17年以上セルフビルドでビルの建築に挑み、「東京・三田のガウディ」と呼ばれる建築家の岡 啓輔さん。
彼の人生ストーリーに対し、それぞれのブルワリーが様々なアプローチをしかけている。
ちなみに岡さんから始まり、今後取り上げる人生ストーリーもある程度予定が立っている。
<6つの人生ストーリー> ※2023年2月時点での予定
① 「東京・三田のガウディ」建築家 岡 啓輔さん
② 「言葉と遊びつづける」コピーライター 石井 つよシさん
③ 「新種の老人」アーティスト 実業家 遠山 正道さん
④ 「刀をつまみに飲む男」ゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』ライセンス担当 OK 間(おけはざま)さん
⑤ 「映画の無限の可能性を追求」移動映画館『キノ・イグルー』代表 有坂 塁 さん
⑥ 「リボンに命を吹き込む」アートユニット RIBBONESIA(リボネシア)さん
ブルワリーによって得意分野は違うし、人が違えば解釈も様々。
提灯記事にしたいわけではないが、個人的には非常にワクワクする試みだと思う。
「ホッピンフレンズセット」第1弾のビール4種を実際に飲んだ感想
そんなホッピンフレンズの4種類を実際に飲んでみた。
サッポロ 蟻鱒鳶ール(アリマストンビール)
まずはサッポロの蟻鱒鳶ール(アリマストンビール)。
こちらは私も初めて聞いた、カリフォルニアコモンというビールスタイルになっている。
常識にとらわれない建築スタイルを貫く岡さんを表現するため、通常は低温で発酵させるラガー酵母をエール並みの高温で発酵させるという、サッポロにとっては初めての製法に挑戦している。
実際に飲んでみると、エールとラガーの良いとこどりという印象を受ける。
ラガー特有のキレと、エールを思わせる香りや苦味。
一杯で2度おいしいビールだと思う。
ヘリオス酒造 RCスタウト
次はヘリオス酒造のRCスタウト。
こちらはインペリアルスタウトというスタイルでアルコール度数が9度あり、4種の中で一番アルコールが強い。
こちらは①ビルの建築期間②コンクリートの強さ③長期間の耐久性を、①アルコールの高さ②ボディの強さ③長期熟成にそれぞれ紐づけているとのこと。
2020年4月にビール醸造所を取得してから最初に仕込んだビールの1つであり、超長期熟成だけあって非常に奥深い味わいになっている。
スタウト特有の苦みや香ばしさがありつつも、超長期熟成のおかげなのかどこかおだやかさも感じる。
そして9%のガツンとくるアルコールが、良い意味で普通のビールっぽくなくて特別感がある。
六甲ビール TINY HAZY IPA
3つ目は六甲ビールのTINY HAZY IPA。
こちらはヘイジーIPAでアルコール度数は3.5%であり、一般的なビールに比べても低めになっている。
着工から17年経っても未完のビルを作り続ける岡さんの挑戦の姿勢に合わせて、挑戦的なレシピを採用しているとのこと。
「Citra」「Mosaic」をメインのホップにして、合計8種類のホップを使っているだけあり実に香りが豊か。
軽くてフルーティーでありながらも味わいの複雑さがあって、一口で長い時間楽しんでいられる。
4種類の中では個人的に一番さわやかさを感じた。
わくわく手づくりファーム川北 バベるビール
最後はわくわく手づくりファーム川北のバベるビール。
こちらはブラウンエールでアルコール度数は5%であり、ほかに比べると普通に見えてしまうから不思議である。
岡さんがイチからビルを建てるように、麦の栽培から醸造までイチから作り上げたビールとのこと。
実際に飲んでみるとほうじ茶のような香ばしさを感じた。
全体的に苦みは抑えてあるが、よく言えば野性味、ストレートに表現するとどこか土っぽい印象を受ける。
ただ、そこも含めて焙煎感とマッチしていた。
まとめ
いかがだっただろうか。
「ホッピンフレンズ」 の第1弾となる4種類のビールについてまとめてきた。
やはりというかなんというか、ワクワクをそのまま形にしてくれたようなビールだった。
1人の人生ストーリーでも、見方によってこれだけの解釈が生まれる。
しかし根本にある想いはどこか共通点があるようにも思う。
そんな作り手とストーリーに想いを馳せながら飲むビール、キミもぜひ体験してほしい。