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漫画家・芦原妃名子先生の騒動に思うこと

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漫画家・芦原妃名子先生の騒動に思うこと

漫画家である芦原妃名子先生が2024年1月29日に亡くなられた。享年50歳。
今の時代で考えれば非常に若いと言えるんじゃないだろうか。

しかも死因はご病気や事故ではなく自らの手で命を絶った可能性が高いという。
記事作成時点でまだ調査中であるものの、遺書も見つかったため信憑性が高い。

失礼ながらニュースになるまでは存じ上げなかったが、ドラマ化に関する経緯をご自身でお話しされたニュースで知ってセクシー田中さんのマンガを読ませていただいた。

 

既刊を一気に読んでしまうほどのめりこみ、今後の展開が楽しみだと思った瞬間に訃報に触れ、にわかながらも非常にやるせない気持ちとモヤモヤを抱えている。

X(旧ツイッター)でも少しつぶやいたが、改めて整理したうえで今回の騒動に思うことをお伝えしたい。
芦原先生とは何の関係も無い、過去作も知らなかったおっさんではあるがお付き合いいただけると幸いである。

芦原妃名子先生の著書「セクシー田中さん」とは?

まずはすべてのカギを握る原作について。

TOEIC900点、税理士の資格を所有するなど非常に優秀な経理部員ながらも地味なアラフォー女性の田中さん。

婚活に勤しむゆるふわ20代女性の朱里は、そんな田中さんの姿勢の良さや意外なスタイルの良さに惹かれてずっと注目していたところ、実は超セクシーなコスチュームで踊るベリーダンサーという秘密を知る。

 

そんな田中さんの秘密をめぐり結婚観や男女間や年齢に対する偏見、人間関係の思い込みなどなど様々な視点から魅せる人間ドラマになっている。

おちゃらけたタイトルだが内容は骨太、というかリアル。自分が知らずに思い込んでいたことや勘違いなどにも気づき、ハッとさせられることも多かった。

セクシー田中さん 1 (フラワーコミックス α) [ 芦原 妃名子 ]

最新の第7巻は田中さんに大きな転機があり、これから物語がどうなっていくのか期待に胸を膨らませていた。
・・・膨らませていたのに。。。

 

そんなセクシー田中さんのドラマは、2023年10月22日より日本テレビ系日曜ドラマとして放送された。
主演は木南晴夏さん。名バイプレイヤーとして有名だが、午後7時~11時の時間帯のドラマで主演を務めるのはこれが初めて。

そして田中さんに惹かれ、秘密を知る朱里役は生見愛瑠さん。

個人的にお2人とも好きな俳優だし、タイトルや設定にインパクトがあったのでセクシー田中さんというドラマの存在は認知していた。

芦原妃名子先生がブログにつづられたドラマ化の経緯と事情

2023年12月24日に全10話で放送が終了して私はすっかりドラマの存在を忘れていたが、2024年1月26日に芦原妃名子先生ご自身がドラマ化の経緯や事情をブログで克明につづられていた。

※現在はブログ自体削除済み

全ては「私達の側で起こった事実」と仰っているが、「この文章を書くにあたって、私と小学館で改めて時系列にそって事実関係を再確認し、文章の内容も小学館と確認して書いています。」とのことでかなり念入りにご準備されたことがうかがえる。

ドラマ化にあたっては「脚本家さんや監督さんなどドラマの制作スタッフの皆様に対して大変失礼な条件だということは理解していましたので、「この条件で本当に良いか」ということを小学館を通じて日本テレビさんに何度も確認させていただいた」上でスタート。

 

その条件を要約すると下記の通り。

・「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく。
・漫画が未完結のため影響を及ぼさないよう終盤は「原作者があらすじからセリフまで」用意する。
・原作者が用意したものは原則変更せずにそのまま脚本化。場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある。

確かにドラマの人にとっては嬉しい条件とは言えないと思う。
しかしその約束は守られることはなく、大きく改変されたプロットや脚本を受け取ることに。

 

芦原先生サイドは前提条件を守ることを何度も主張するが、「私達は、ドラマの放送が終了するまで、脚本家さんと一度もお会いすることはありませんでしたし、監督さんや演出の方などドラマの制作スタッフの皆様とも、ドラマの内容について直接、お話させていただく機会はありませんでした。」と吐露。

先生の尽力で1~7話はほぼ原作通りと言えるデキになったものの、相当やり取りを重ねてきたのに8~10話ではまたふりだしに。

特に9、10話は物語の核とも言えるベリーダンスの表現に間違いが多かったそうで、先生だけでなく「ベリーダンスの監修の方とも連携が取れていないことが手に取るように分かりました」と綴られている。

その後は1~7話でもおそらく何度も行ったような問答を繰り返したそうで、最終的に疲弊と時間的限界のため1~8話までの脚本家を入れずに9話と10話の脚本を先生ご自身が執筆することに。

※セクシー田中さんドラマ公式より引用

とはいえそんな大変な目に遭いながらも「最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、「セクシー田中さん」の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします」と締めくくっている。

個人を責めたくはないが、経緯を説明するにいたった原因は脚本家のSNS投稿?

ここまでを読むと芦原先生側の一方的なお気持ち表明に見えるが、そうではないのがこの騒動の根深いというか闇深いところ。

こちらは最終回当日に投稿された脚本家のSNSのスクリーンショット。

こちらを見てキミはどう思うだろうか。

さらにはこの投稿に対して色々意見があったんだろうか、4日後に改めてこんな投稿をしている。

「原作者」という表現や、俳優、作品タイトルのハッシュタグなどをこれ見よがしに使っているのに、原作者である芦原妃名子先生の名前がハッシュタグ以外にもまったく出てこないのはどうなんだろうか。

とはいえこれは芦原先生のご意見を見た後だから出てくる感想だとは思う。
この脚本家の方がどのように扱われ、どのように仕事を依頼されていたのかはまだ明らかになっていないので、それは今後きっと、絶対に日テレが調査をしてくれる

 

ただ、、、である。

先生はドラマ放送前から様々な悶着があったことを時系列順に丁寧にまとめてくださったが、そのブログが公開されたのは2024年1月26日

このSNSの投稿は2023年12月24日と28日なのでブログ公開の約1月前である。

 

数の大小はわからないがおそらくこの投稿で芦原先生への攻撃はあっただろうし、それ以前に先生自身がご覧になって何も思わないわけはないと思う。

脚本家の方に思うことがあっても身内に愚痴るとか、仲間内で収めていれば先生もわざわざお気持ち表明することは無かったように思うし、最悪の事態は免れたのではないかとどうしても考えてしまう。

 

そして今回の件に関して「先生はドラマは素人」とか「そんなに口出しするもんじゃない」などの心無い意見を一部見かけるが、漫画の映像化を何度も経験されているのを知ってて言っているのか?と思ってしまう。

実際先生の代表作でもある砂時計の映画に出演された渋江譲二さんは下記のツイートされており、制作陣との関係の良好さを感じられる。

どうしてこうなったのか。
まだまだわからないことが多いのでぜひとも詳細を追いかけていきたい。

最後に

長々と書いてきてしまったし、脚本家の方への批判も書いているが思うことは3つ。

1つは0→1を生み出す人の才能は唯一無二であること。
2つ目はドラマ化でもアニメ化でも、0→1を生み出した人へのリスペクトは忘れずに今後の戒めにしていただきたいこと。
3つ目は想像の範疇だが、脚本家やプロデューサーへの過剰な批判を芦原先生は望んではいないであろうこと。

上から目線なのかもしれないが、現時点での報道や事実を知った上での意見である。

 

改めて、芦原妃名子先生の訃報に心よりお悔やみ申し上げます。
せめて今現在の心が安らかであることを願っております。

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