キミは自炊をするだろうか?
料理が好きだろうか?
「作り方がわからない」
「めんどうくさい」
「真似したいと思える料理が無い」
そんなことを思っているなら、一度とっくんさんの動画を見てみることをオススメする。
映像として飯テロなのはもちろんだが、クオリティの高い声真似、そして面白すぎるワードセンス。
1本見たらまた次の動画を見たくなり、料理もついつい真似したくなることうけあいである。
そんなとっくんさんに、私は直接インタビューさせていただいた。
今回は「【優勝しまくる一般男性】レシピ本が人気のとっくんにインタビューしてみた」と題し、とっくんさんへのインタビュー内容についてまとめていこうと思う。
YouTubeチャンネル登録者50万超の”一般男性”とっくんの経歴は?
©Kiii inc.
ではまずとっくんさんの経歴について。
出身は埼玉県だが東京の大学に通い、普通に就活をしてとある企業に就職した。
ただ全国転勤がある企業で、出身は埼玉県だがまずは福岡県に異動。
その後鹿児島県、宮崎県に異動した後に福岡県に戻るなど、九州を転々としていたそうだ。
そんな中で九州の料理の美味しさに目覚めながらも、生活の拠点を一か所にしたいという想いから転職を決意。
現在は福岡県の企業で会社員としても働いている。
食べ物に関しては大学生のころからずっと関心があり、併せて食べ物についての動画もずっと好きだったそうだ。
そして好きが高じて自炊の動画などを自分で作ってみたことが、とっくんさんの動画配信のきっかけになった。
動画は基本的にストックをしない主義で、その時食べたものをすぐに撮影編集し、タイムリーに配信しているとのこと。
そしてYouTubeチャンネルの開設は2019年11月だったが、アニメや映画のキャラクターの声真似をしながら料理をする動画はすぐに話題になり、なんと4カ月という驚異のスピードでチャンネル登録者数は50万人を突破。
記事作成の2020年9月時点では60万人に届こうとしている。
ちなみにとっくんさんは2020年2月ごろから、きまぐれクックさんやラファエルさんが所属するKiiiという事務所に所属。
YouTubeの前からTwitterに動画をあげていたそうだが、それを見たKiiiの方からTwitterのダイレクトメッセージでお誘いがあり、事務所に入ることになった。
ビールで優勝後のナレーション「完全に酔っ払いの戯言になってますから(笑)」
動画の撮影編集は全部とっくんさん自身で行っており、しかも機材は「iPhone一つで完結してます」とのこと。
そしてとっくんさんの動画は声真似のクオリティの高さや、料理の飯テロ度合いはもちろんだが、独特のワードチョイスが面白すぎると個人的には思う。
「AJIHEN KUNG-FU GENERATION(アジヘンカンフージェネレーション)」
「食べた過ぎて多部未華子ちゃんになったわね」
「穢土転生(エドテン)」
「A.Y.O.Y(あらぁ~♥やだぁ~♥美味しそう~♥やだぁ~♥)」
などなど、挙げ出すとキリがない。
そんなことを話してみたが、とっくんさんは「あれホント酷いと思いますよ(笑)。完全に酔っ払いの戯言になってますから(笑)」と言っていた。
ただ、「それが皆さんに刺さってるようで、何よりです。」とも。
そしてあの言葉選びやナレーションは、ビールで優勝した直後に動画を作っているからこそなのかもしれない。
お酒が入った状態で思いついた言葉などをざっくりと台本にまとめ、収録を始めるそうだ。
ちなみに台本は、動画のテロップ入れなどの作業効率をアップするために必須とのこと。
動画をやって良かったことは、とっくんさんが組んでいるバンドのお客さんの客層が広がったそうだ。
そこまで深堀しない人が圧倒的に多いそうだが、それでも興味を持って知ってくれる人もそこそこいるらしい。
具体的には、HOTOKEというバンドでサポートドラムをされている。
https://www.youtube.com/watch?v=Lsl4Z-7Lp6c&feature=emb_title
レシピ本の反響。YouTubeのコメント欄が超・平和「本当にこれは自慢です」
とっくんさんに出版後の反響について聞いたところ、大きく2つ嬉しいことがあったと話してくれた。
1つは知人、親戚、家族などに「本買ったよ」と言われること。
2つ目は知らない人からも温かいコメントやメッセージをたくさんもらい、Amazonでもベストセラー1位※を取れたこと。
※2020年7月「男の料理部門」
私はYouTubeを見る時にコメント欄をちょこちょこチェックするが、とっくんさんのコメント欄の平和さに驚いた。
そのことを聞いてみると「本当にこれは自慢です」と言っていた。
狙ってできることではないので、これは人柄のなせる業なのかなと思う。
ちなみに実際レシピ本は人気のようで、インタビューの時に同席されたKADOKAWAの方から「追加で増刷が決まりました」という報告があった。
【御礼】予想以上の反響で、なんと第3刷決定のご連絡をKADOKAWAさんからご報告いただきました!皆さん本当に有難うございます…😭 pic.twitter.com/VRpO3XsxMn
— と っ く ん 2 7 歳 🐍 (@Kuntotu) September 2, 2020
ただ、本の出版にあたって苦労したことは結構あったそうだ。
とっくんさんの機材は基本的にiPhoneで、動画は容量を食うため元データはすぐに消してしまうらしい。
そのため「この場面のこのキャプチャが高画質でほしい」と言われ、それを探すのが相当大変だったとか。
そして個人的に驚いたのは、レシピ本の依頼が来た段階では動画は10本くらいしか無かったということ。
しかし刊行までの2~3ヶ月で60本にまで増やしてほしいと言われ、とっくんさんは「泣きながら動画を撮ってました(笑)。これがウワサに聞く締め切り地獄なのかと」と思ったそうだ。
とはいえ10本の動画で書籍化が決まるほどとっくんさんの動画は非常に面白いと思われたんだろうし、私も実際に見てみて確かに納得感はある。
レシピへのこだわり「メニュー名は知っているけど作り方は知らないものを作るようにしている」
とっくんさんのモットーは、「メニュー名は知っているけど作り方は知らないものを作る」。
自炊初心者が「自分もできるかも」と思ってもらえるようなレシピを心掛けているそうだ。
自身が積極的にアピールしているわけではないが、「雰囲気で感じ取っていただけたら最高です」と言っていた。
基本的なレシピが多く、なじみがあったり作ったことがあるような料理も結構あるが、とっくんさんの魅力は「料理することの楽しさが動画から伝わってくる」ことだと、同席された書籍の担当者は話してくれた。
書籍でもその楽しさが伝わるように、開いて読んでいても楽しいことを一番に心掛けて作られているとか。
自炊初心者や独り暮らしの人、そして男子でも手に取りやすいデザインなのもウリである。
とっくんさんのレシピのネタ探しについては、例えば「圧力なべをうまく使うためには」など、設定や用途を絞ったわかりやすい本を読むことが多いそうだ。
対して今回出したレシピ本は、結構間口が広くとられている。
「『一人暮らしを始めたばかりで、料理をいままでしたことない!』という方も、私のチャンネルを多く見てくれています。そうした方に『台所に立つのって楽しいよ』ということを伝えたくて、幅広くレシピを選びました。」とのこと。
お気に入りのレシピはゴロゴロベーコンのハニーマスタード
お気に入りのレシピについて聞いたところ、「本人がこう言うのもちょっと恥ずかしいんですけど」と言いながら、ゴロゴロベーコンのハニーマスタードをあげてくれた。
「多分一番真似されてるんです」というこちらのレシピ。
それまでのとっくんさんの動画史上、初めて食べている場面を撮り忘れてしまった料理でもある。
動画を撮ったと思ったのに写真しか撮れておらず、「素直に謝るしかないですよ」と思い、とっくんさんは動画の中で正直にそれを伝えて謝罪。
すると意外にも温かいご意見が多かったそうだ。
真似してもらうことが多いし、初めて動画が撮れていなくて謝ったら大きな反響があったという思い出の部分も加味し、このレシピを挙げてくれた。
ちなみに私も真似してみた。
それ以外に真似されることが多いレシピとして、ガーリックシュリンプも挙げてもらった。
とっくんオススメ。男子力が高いと思う料理はステーキ
そして男子力.jpにちなみ、男子力が高いと思うレシピも聞いてみた。
とっくんさんのオススメは、ステーキ。
焼くという行為は結構奥深いもので、シンプルだからこそ難しい部分もある。
個人的には「焼いた肉をアルミホイルで一度休ませる」工程に驚いたが、「あのひと手間をするかしないかで、味わいが違ったりします」と、とっくんさんは言う。
まずは入り口として肉を焼き、そこから火加減の調整などに意識を向けてもらい、さらに別の料理にも進んでもらいたいとのこと。
やっぱり男子は肉を食ってなんぼだと。「肉をガッツリ食らって。白米を食ってほしい」と、とっくんさんは語ってくれた。
そして、ステーキも実際に焼いてみた。
まとめ
いかがだっただろうか。
とっくんさんのインタビュー内容として、下記のことをまとめてきた。
・出身は埼玉だけど福岡在住
・動画の撮り直し、ストックはしない
・撮影編集は自前。機材はiPhoneのみ
・ビールで優勝後に素晴らしすぎるワードたちが飛び出す
・メジャーだけど作り方を知らない料理を作るようにしている
・レシピ本は自炊初心者、初めての独り暮らしの人などにオススメ
・とっくんお気に入りレシピはゴロゴロベーコンのハニーマスタード
・男子力が高いレシピはステーキ
とっくんさんの今後については「食べ物関連のお仕事を色々いただいている中で、食べ物にフォーカスして人の役に立てるようなことをどんどんしていきたいなと思います。」と語ってくれた。
あとはやりたいこととして、自身の声真似のスキルなどを活かして活動の幅を広げ、より広い層にとっくんさん自身や料理のことを知ってもらいたいとのこと。
インタビューにおいても人柄の良さはビシビシ伝わった。
とっくんさんのコメント欄が平和なのもうなずける。
ともあれキミがとっくんさんを知らないのなら、まずは動画を見てみることをオススメする。
◎料理写真
撮影:よねくらりょう/提供:KADOKAWA