日本人は”限定”に弱いと言われるが、実は日本に限ったことではなく、”限定”というのは人間の本能に訴えるものである。
誰もが限定に惹かれ、限定を愛する。
今回ご紹介するのは期間限定でしか食べられない、レアなチーズ。
スプーンですくって食べられるほどにトロトロという、チーズ好きにとっては魅力しか感じないチーズである。
今回は「スプーンでとろ~りすくえる季節限定チーズのモンドールを食べてみた」と題し、モンドールについてまとめていこうと思う。
生産期間限定の”レア”チーズ、モンドールとは?
モンドールは秋冬定番のウォッシュタイプのチーズのこと。
ウォッシュタイプというのはチーズの外側を塩や酒で洗いながら熟成させるチーズ。
ウォッシュタイプの菌は分解力が強く、皮の部分は匂いが強烈になるが、それに反して内側はマイルドなものが多い。
もちろん内側も匂いが強烈なものもあるが、モンドールはそんなことはなく、まろやかである。
そして熟成が進むと他のチーズとは比べものにならないくらい、本当にトロトロでクリーミーになるそうだ。
ちなみにモンドール(Mont d’Or)というのは、フランスとスイスの国境であるジュラ山脈モン・ドール一帯で作られていることに由来しており、意味は「黄金の山」とのこと。
産地、製法が厳格に決まっているモンドール
そんなモンドールだが、美味しさの秘密は産地や製法が厳格に決まっていることも関係しているかもしれない。
詳しくは下記の通り。
産地:フランシュ・コンテ地方(フランス)
原料乳:牛乳(無殺菌乳)
熟成期間:最低3週間
重さ:500~1000g、または1.8~3kg
製造期間:8月15日から翌3月15日
ここにあるとおり、製造期間は8月15日から翌年の3月15日までなので、それ以外の期間には食べることのできないレアなチーズと言える。
実際私自身このチーズの存在を知った時には販売がされておらず、半年程度待った。
モンドールの実際のビジュアル
ちなみに今回はフェルミエというお店の通販で購入した。
冷蔵便で届き、紙などで厳重に包装されていたが、包みなどをはがし、届いた商品はこちら。
木箱がなんとも高級感を演出しているが、実はこの木箱、高級感を演出するためだけに存在するわけではない。
というかそもそも高級感演出のためのものではないのかもしれないが。
すでに書いたとおりスプーンですくえるほどにトロトロなため、こうして木箱で囲っておかないと形を保てないかららしい。
こうして波打っている感じも、中のトロトロ具合を連想させてくれる。
モンドールとフォンドール?
モンドールには大きく2種類の食べ方がある。
1つはそのままの形でいただく食べ方と、もう1つは「フォンドール(Fondue au Mont d’Or)」と呼ばれる調理方法。
フォンドールというのは他に材料を加え、加熱して作るもの。
それぞれに詳しくまとめていこうと思う。
モンドールの美味しい食べ方
モンドールを食べるための工程
モンドールの美味しい食べ方はこちら。
1、食べる前に常温に戻しておく
2、上部の皮の部分をくり抜く
3、スプーンですくっていただく
冷蔵状況によるが、常温に戻るまでには大体30分~1時間程度。
そして上部の皮の部分のみをくり抜く。
本来はナイフで外周全体に切りこみを入れて、上部すべての皮をくり抜くのが正しい方法だが、別に一部分だけでも構わない。
一度に食べきる自信がない時にはこんな感じで半分ぐらいくり抜こう。
そして保管の時に必要なので、くり抜いた部分は取っておくことが大切である。
モンドールをそのままいただいた感想
スプーンですくえるはダテではなく、少し固めのマヨネーズのようだった。
白カビのチーズらしくクセはそこまで強くなく、何にでも合う。
バゲットに載せても間違いがない。
チキンナゲット的なものや、
ポテチに載せても美味しい。
まろやかで優しく、食べ物の味を気軽にワンランクアップさせてくれる。
フォンドール(Fondue au Mont d’Or)の作り方レシピ
フォンドールの材料
次はフォンドール。
まずは材料から。
モンドール 1個 ※食べかけでもOK
白ワイン(辛口) 50cc程度
にんにく 1斤
フォンドールの作り方の工程
調理方法は下記の通り。
1、上部をくり抜いたモンドールに刻んだにんにくと白ワインを投入
2、木箱が焦げないように周りをアルミホイルでくるむ
3、200℃に温めたオーブンで約30分焼く
フォンドールについては少し細かくまとめていこうと思う。
フォンドール調理方法1、上部をくり抜いたモンドールに刻んだにんにくと白ワインを投入
実際のにんにくを使うのがベストではあるが、チューブでも良いんじゃないかと。
そして白ワインは50cc程度となっているが、ここはお好みで。
オーブンで焼けばそこまで強くアルコールは残らない印象だが、アルコールにあまり慣れていないと酔ってしまうかもしれない。
アルコールが苦手であれば、牛乳などを使っても良いと思う。
フォンドール調理方法2、木箱が焦げないように周りをアルミホイルでくるむ
アルミホイルでくるみ、白ワインとにんにくを加えた様子はこちら。
私は横着してにんにくチューブを使わせてもらった。
アルミホイルをキレイに巻くのは難しいが、画像の通り若干粗めでも大丈夫である。
私のものは焦げなかったので。
フォンドール調理方法3、200℃に温めたオーブンで約30分焼く
そして、オーブンで焼いた後はこんな感じ。
まあ、もう少し焦げ目がつくまで焼いても良かったと思う。
ただ私はワインを入れ過ぎたようで、結構シャバシャバになっていた。
モンドールは食べかけのものでもOKだが、食べかけの場合はワインの量を少し減らしたほうが良いと思う。
フォンドールを実際に食べた感想
感想としては濃厚上品なチーズフォンデュ。
まろやかなチーズの中に白ワインやにんにくが顔を出し、複雑で奥深い味わいだった。
こちらも野菜などで楽しんだ後に鉄板のバゲットだけでなく、
変化球的にコストコで買ったプルコギで丼を作り、
その上にたっぷりとかけてみた。
甘辛い味付けのプルコギにチーズの濃厚まろやかさが加わり、箸が止まらなかった。
こういう色んなアレンジができるのも、モンドールの懐の大きさかもしれない。
モンドールの保管・保存について
モンドールの保存にあたっては先ほど少し書いた通り、上部の皮をくり抜いた場合にはくり抜いた皮でフタをし、木箱のフタを被せておく。
フェルミエの場合、最初は底にフタが敷いてあるので、取り外して被せる。
この状態で冷蔵庫に入れても保管しても良いが、万全を期すならさらに周りをラップでくるみ、ジップロック的なものに入れておくとより日持ちが期待できる。
ただ生モノなので、できる限り早く食べることをオススメしたい。
まとめ
いかがだっただろうか。
モンドールについて、下記のことをまとめてきた。
・生産期間限定の”レア”チーズ、モンドールとは?
・産地、製法が厳格に決まっているモンドール
・フォンドール(Fondue au Mont d’Or)の作り方レシピ
・モンドールの保管について
何度も書いているとおり季節限定の商品なので、気になったのならすぐに注文してみることをオススメする。
そのまま食べても良し、フォンドールを皆でワイワイ囲むも良し。