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【全俺が泣いたマンガ】佐倉色の「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」

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【全俺が泣いたマンガ】佐倉色の「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」

「本当の悪人は悪い顔をしていない」。
何かで読んだ気がするが、悪人が悪人らしいビジュアルならどれだけ楽なことか。

私もそうかもしれないが、無自覚に人を傷つけたり、または傷つけられたりというのは意外とあったりする。

 

しかしそれも度を越してしまうと、とんでもない悲劇を生む。

「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」は悪気はなくて良い人そうだけど無能な編集者と、どこまでも我慢強い漫画家との戦いの記録である。

 

今回は「【全俺が泣いたマンガ】佐倉色の「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」」と題し、どんな「コワイ話」なのか、筆者や世間の反応、感想などをまとめていこうと思う。

「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」とは?

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」は、タイトルの通り新人マンガ家である佐倉色先生に起こった話をまとめたエッセイ漫画。

この本が発売されたのは2017年6月だが、私は佐倉先生にまつわる騒動すらも全然知らなかった。

 

だが、本当に泣ける。
というか、ヒドい。ヒドすぎてビックリする。

趣味でマンガを書き始めた彼女に、ある日KADOKAWAから執筆のお誘いがあり、彼女はマンガを描き始めてわずか8か月ほどで商業マンガ家となる。

 

彼女を商業マンガ業界へと誘ったのが、KADOKAWAの編集者であるボーノ氏。
しかしこの出会いが、コワイ話の始まりだった。

 

アスペルガー?ADHD?ゆとり?とんでもない地雷のボーノ氏

しかし彼は「その場その場の気分で自分の都合がいいようにコロコロ意見を変える性質」を持つ人物だった。

しかもとんでもなく忘れっぽく、マンガのネームやデータ紛失、ホテルや新幹線の取り忘れなどは日常茶飯事。
挙句にちょいちょい脅してきたり、都合の良いウソを四方八方に振りまくという、普通の会社なら完全NGの編集者である。

 

というか私は読んでで非常に胸糞悪くなった。
でもおそらく悪気はなく、しかも指摘や注意をするとこちらが申し訳なくなるくらい平謝りをしてくる。

佐倉先生もそれでズルズル仕事を続けてしまったようだ。
ただ、何度注意や指摘をしても全く改善はしない。

 

佐倉先生自身が兼業漫画家だったので、社会人経験はあるものの、漫画家として出版社と関わるのはKADOKAWAが初めてのため、「そういうものなんだろう」と思ってしまったところもあるようだ。

なんだかDVの構図に似ている気がする。
気分によって暴力を振るうけど、優しい時はとんでもなく優しい。

 

それが忘れられずに、関係を続ける。
あとはゆとりとかでは済ませられない、発達障害やADHDの可能性などにも言及していた。

当初は漫画家であることを周囲にも隠していて、しかも新人漫画家なので漫画家や編集者の友人はおらず、仮にいても業界の慣習に染まっている人ばかりなので「あるある」で終わるんだろう。

 

そしてマンガに特別詳しかったわけでもなく、いわゆる「ヲタ」の友人もいなかったし、そういう知識もなかったらしい。

さらに罪深いのは「1つ1つのミスはそこまで大きくはない」こと。
まあ、データ紛失を小さなミスとは言いたくないが、ホテルとかの予約の取り忘れくらいは「あるある」レベルじゃないかと。

 

なので他業種の友人に相談したとしても、当たり障りのない回答しかもらえないのかもしれない。
そして徐々に、彼女の精神はむしばまれていく。

 

非人道的にもほどがある。驚異の手書きサイン色紙1,729枚

しかしどうにかボーノ氏との仕事を続ける佐倉先生に、とんでもない苦行が課せられる。
それはなんと、「手書きのサイン色紙を約1,600枚書け」という指令。

 

こちらは桜色フレンズというマンガのキャンペーンとして、

・大判色紙
・全て手書き
・フルカラー
・サイン
・キャラ指定可
・複数応募可

で応募者全員を対象に実施された。

 

 

しかも、無償
ボーノ氏は「多くても100~200枚」「業界ではこれが普通」と伝えてはいるが、この時点でどうなんだと思わなくはない。

そんな言葉を信じて佐倉先生は依頼を受けたが、あれよあれよと枚数は増えていき、結果的にはなんと1,729枚にまで膨れ上がった。

 

というかそれ以前の話として、そもそも「桜色フレンズ」というマンガ自体ウェブ漫画として連載した「さくらさく!」のタイトルを変えただけのもの。

無償とは言えウェブ漫画の会社とは契約書を交わしていたのに、KADOKAWA側が提示する無理矢理な条件を飲ませたそうだ。
しかもボーノ氏は当初自分で電話すると言ったのに電話せず、佐倉先生本人が無理矢理な条件を伝えるハメに。

 

サイン色紙についてはそんな枚数になったこともあり、発送遅れに対する指摘が佐倉先生本人にも届くようになってしまったため、佐倉先生がKADOKAWAにお願いして枚数を公表するマンガを投稿。

手書きでキャラの入った色紙なんて、

「連載中には3枚だって嫌がる作者はいる」
「普通は10枚も描かせない」
「速くても1枚30分はかかる」

というのが一般的な意見だというシロモノ。

 

さすがにこの辺りから、なんだか様子がおかしいと感じ始めた人も多かっただろう。

しかし佐倉先生は心身ともに衰弱しきり、連載の仕事はもちろん、兼業の会社員と祖父の世話を続けながらも、投げ出すことなくこの仕事を完遂した。
本を読んだ後にサイン色紙が投稿されているツイートを見ると、それだけで涙が出てくる。

 

途中からはマンガを描いていると自然と涙が出てくるくらい辛かったそうだが、それでも仕事をやり遂げられたのはファンのおかげだとエッセイ内では何度も語っている。

 

「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」や佐倉色先生の騒動に対する世間の反応

ちなみに本や騒動に対する反応は下記の通り。

 

飛び火のねとらぼ。でも、それはないんじゃないだろうか。

本の内容に対するねとらぼ側の見解

そういえばKADOKAWAと合わせて、唯一実名で登場するメディアがある。
それはねとらぼ

しかし記載内容について、ねとらぼは反論している。

漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、編集部の見解

漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、飛鳥新社に強く抗議します

 

確かに画像や電話の内容には食い違いがあるので、その辺りは反論もごもっともだと思う。

「ねとらぼの画像は別リンクに飛ぶようになってるので、実際の画像はわからない」という意見もあったが、私が実際確認してみた限り、確かに丸々は使っていないように見える。

そもそもねとらぼは縦長の場合は縦長に表示されるので、2ページ分なら記事内容の画像もあのようにはならないかと。

 

ただ、画像は「引用の範囲を超えている可能性があった」と認めているのが気になる部分ではある。
全ページではないにしても、ココはダメだと認めているんじゃないだろうか。

 

そして、「商業マンガ家引退」というタイトルについては反論を読んでも納得はいかない。

タイトルを決めた経緯についても、結局はねとらぼの解釈で勝手にタイトルをつけただけで、そのタイトルで良いことを証明する理由にはなっていない。

ちなみに佐倉先生は「引退」という文字は使っていない。

 

その理解が佐倉先生の意図する部分と違うから、こういうことになったんじゃないかと。
そしてこの記事を読んでも、「やっぱり理解できてない」と思わざるを得ない。

なんだか論点がズレている気がする。

 

あとは指摘されている記事を作成する時に、「上記に載せているような裏どりをあなた方はやったんですか?」という疑問も残っている。

というかその当時、彼女の言葉以外でまとめ記事やその他ブログなどで拡散することを望んではいないし、転載などは禁止していた。

 

それはエッセイを読めばわかるし、当時でもブログにその旨は明記されていた。

 

反論ごもっともな部分はありつつ、それよりも大事なこと

ただそれよりなによりも、個人的にコワイと思ったのは「あの本を読んだ上でこういう記事を書けること」
というか、全部読んでいるんだろうか。

反論の余地がある内容だとは思うが、心身共に限界に近かった作者の境遇を知りながら(?)、さらにムチ打つような記事。

しかも2つ

 

作者への配慮を述べたり、そういう境遇だったことを気遣うのでもなく、まるで悪質なクレーマーに絡まれたかように書き連ね、「本の内容は間違っていて、自分たちは悪くない」という内容を理路整然とまとめる。

正論ではあるんだろうが、「コワイ」と思ってしまった。

 

弁護士を交えての話し合いはどうなった?

あと気になるのは、2つ目の記事が書かれたのは2017年6月30日。
しかし2018年11月現在で、その後新しい記事などは投稿されていない。

弁護士を交えて話し合いする旨が記載されているが、それはどうなったんだろうか?
その後進展していないところをみると、ねとらぼ側がどこまで真剣だったのか疑問が残るが。。。

 

実際、本の内容に問題があるのなら名誉毀損とかになるだろうし、訴えてもいいんじゃないかと。
どうしてやらないのだろうか。

当時「出版停止になるのでは?」というウワサや意見もあったが、現に私は手にして(電子書籍だが)読んでいる。

 

ただ飛鳥新社の対応は決してよろしくない(というか悪すぎる)ので、佐倉先生に余計な迷惑がかからないか心配ではある。

できるなら飛鳥新社の仕事は今後受けないほうが良いのではと思うが、再起をかけた本を出した義理があるから、なかなかそうもいかないのかも。

 

ちなみにこの件についての見解は、こちらのまとめが面白いと思う。

『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』に関する、漫画家・紅林直さんのコメント

 

「本の出版にあたって、KADOKAWAに裏を取ってるのか!?」

あとは批判の中にこういう心ない意見もあるが、本を読んだ私に言わせると「ちゃんと本を読んだ上で言ってんのか?」と問いただしたくなる。

佐倉先生がブログやツイッターでこの問題を発信したのは、この本が出版されるよりもっと前。

 

ボーノ氏はそういうツイッターやブログをしっかりチェックしており、しかも作中でボーノ氏も編集長も非を認めるような描写が存在する。
というか仮にこういう会社や編集長に裏どりをしたとしても、保身に走ることは目に見えている。

作中でも保身に走る場面があるので、第三者のインタビューなら言わずもがなかと。

 

そもそもマイナス面を掘り起こされて、キミは「はい、僕はそんなダメなことをやってしまいました」って答えるだろうか?

もしできるならよっぽど図太いか、心から反省する素晴らしい人か、タダのバカかというどれかだと思う。

偏見と言われればそれまでだが、私が読んだ限りボーノ氏も編集長も「心から反省する素晴らしい人」には映らなかった。

 

ただ、超大手企業であるKADOKAWAのイメージがそれで固まってしまう可能性があるのも事実。
飛鳥新社はせめて精一杯の裏どり(またはそれを試みた証拠)を記載してほしかった。

そうしないと、せっかく大きな意義があるこの本の、信頼性そのものを低下させかねない。

 

佐倉色先生の現在の活動

壮絶な地獄を経験した佐倉先生だが、今回ご紹介している「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」からもわかる通り、無事に商業マンガ家として復活している。

このエッセイ出版の経緯なども読んでいると泣けてくる。

 

完全に人間、というか出版社不信に陥っている上、精神的にもかなり追い詰められている佐倉先生に対し、心情を理解した上でそれでも一緒に仕事がしたいと伝える編集者。

全俺が泣いた。

 

その後は「シロクマはシェーカーを振れません」というマンガを連載していたが、全2巻で完結している。

こちらも買って読んでみたが、自虐ともとれるようなネタもあり、面白い。
あとは個人的に酒好きなこともあり、色々知識を学べる点は良いと思う。

今後の作品にも期待したい。
そして佐倉先生には「お疲れ様」と、「これからも元気に頑張ってください。応援してます」と言いたい。

 

まとめ

いかがだっただろうか。

「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」について、下記の通りまとめてきた。

 

・「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」とは?
・アスペルガー?ADHD?ゆとり?とんでもない地雷のボーノ氏
・非人道的にもほどがある。驚異の手書きサイン色紙1,729枚
・「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」や佐倉色先生の騒動に対する世間の反応
・飛び火のねとらぼ。でもそれはないんじゃないだろうか。
・佐倉色先生の現在の活動

 

漫画家でも編集者でも、目指そうとしていても関係ない業種でも、一度は読んでみることをオススメする。

 

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

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