高けりゃ良いってもんじゃない。
インディーゲームはそんなことを改めて考えさせてくれる。
そしてそれを私に痛いほどわからせてくれた「溶鉄のマルフーシャ」の続編が登場したということで、これをプレイせずにいられるのだろうか。いや、いられない。
今回は「【ネタバレ注意】救国のスネジンカを勧めたいけど次作を待ってほしい気持ちもある!」と題し、救国のスネジンカというインディーゲームについて、実際にプレイした感想も含めてまとめていこうと思う。
名作インディーゲームの続編!2.5Dのドット絵で描かれた「救国のスネジンカ」
イラストレーター兼個人開発者のhinyari9さんが制作したハイテンポガンシューティングの第2弾「救国のスネジンカ」。
前作「溶鉄のマルフーシャ」については記事にまとめているので良かったら読んでみてほしい。
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【ネタバレ注意】溶鉄のマルフーシャを勧めたいけど勧めたくない
キミはどんな作品が人の心に残ると思うだろうか? 感動できる話? 思いっきり笑える話? 濃厚なラブストーリー? それらはもちろんだが、それ以外にも心に残る作品はあると思う。 それは絶望や儚 …
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↑の記事で続編の構想については少し触れているが、2024年8月27日に満を持してSteamにてリリースされた。
救国のスネジンカの主人公は、前作の主人公マルフーシャの妹スネジンカ。
前作でも名前は公開されており、キャラクター紹介も一応存在する。
今作救国のマルフーシャは溶鉄のマルフーシャの直後の話になっており、戦時中の活躍により精鋭部隊「溶鉄」にスカウトされたマルフーシャ。
自国の英雄のような存在に持ち上げられ、事あるごとに戦いに引っ張り出されては身体的にも精神的にもボロボロになって帰ってくるマルフーシャを心配する妹のスネジンカ。
しかしスネジンカが思いのたけをぶつけても聞き入れてもらえることはなく、マルフーシャはある日突然消息を絶ってしまう。
そして姉を取り戻すためにスネジンカは民間の軍事企業へ就職して戦場へと赴く決断をする、というのが今作のあらすじ。
溶鉄のマルフーシャからの超正統進化+かゆいところに手が届く便利な配慮や機能も
前作溶鉄のマルフーシャも素晴らしいデキではあったが、プレイしていて気になる点もあった。
しかし救国のスネジンカはそういう点を含めて改善やアップグレードされており、同じ製作者ならではの前作の良さを最大限に活かしながらの超正統進化を遂げたと言える。
とりあえずグラフィックやテキスト量は大幅に向上。想像で補う部分が多い前作もそれはそれで魅力的だったが、丁寧な説明のおかげでより世界観やストーリーへの解像度が高まっている。
その中でも個人的に嬉しかった追加要素を3つご紹介したい。
うれしい追加要素1:難易度設定が可能
前作には無かった要素の1つ目として今作はハード、ノーマル、イージーの3種類の難易度設定が可能になっている。
ただこれは初回プレイ時には存在しておらず、何度かプレイすることで選択できるようになる(プレイ環境Steam、2024年9月時点)。
前作もすべてのエンディングを出しており、めちゃくちゃ難しいかと訊かれるとそんなことはないが、繰り返しプレイが前提なので難易度設定は嬉しい。
それにもしキミが前作プレイ済みで物足りなさを感じたなら、ハードを選べばかなり歯応えがあるんじゃないかと。
ちなみに難易度の感覚としてはおそらくノーマルだと思われる初回プレイ時、前作をある程度やり込んだ私でも2桁のコンティニューを使うハメになるくらいのレベル感である。
ハードはビビッてプレイしていないが、きっとめくるめく世界へキミを連れて行ってくれるはず。
うれしい追加要素2:エンディングの解放条件がわかる
2つ目はエンディングの解放条件がわかること。
前作もネットで調べればわかったが、ゲーム内だけで完結できるのは個人的に助かるポイントだった。
ちなみに前作は全部で10のエンディングがあったが、今作は8つのエンディング+1つのエピローグとなっている。
しかも私のような反射神経の鈍ったおっさんにも嬉しいのは、解放条件に難易度の縛りが無いこと。
なので難易度イージーでも条件を満たしてクリアすれば解放は可能。
エピローグの解放条件の難易度が一番高く、私が達成した時はイージーでも結構ギリギリだった。
うれしい追加要素3:宿舎の視認性+入浴シーンのグレードアップ
最後は宿舎の視認性と入浴シーンのグレードアップ。
宿舎では特定のステータスをアップできるが、前作では現在のステータスはもちろん実際に上がっている様子も確認できなかった。
しかし今作は右上にステータスが表示されており、現在のステータスはもちろん実際にステータスアップする様子も確認できる。
しかも初回のみになるが↑の画像のように「誰かが書いてくれたメモ」で上がるステータスや優先度なども教えてくれる。
さらに嬉しいのは今作も入浴シーンがあるだけでなく、前作よりもグレードアップしたものになっている。
実際どうなのかはキミの目で確かめてみてほしい。
【ネタバレ】全エンディングを出すまでプレーして鑑賞してのガチレビュー…とりあえず前作プレー必須!
ここからは全てのエンディングを出すまでプレイして、エピローグを含めて全てのエンディングを鑑賞したうえでの感想をお伝えさせていただきたい。
ネタバレを含むのでキミがまだ知りたくないのならここで画面を閉じてほしい。
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とりあえず前作に引き続いての胸クソ展開は変わらない。
しかもテキストの分量が大幅にアップしたので各キャラの人物像や背景がクリアになり、その分エンディングの絶望感がより高まる構成になっている。
ストーリーのネタバレとしてはスネジンカが就職した企業は敵国と繋がった自国の反乱軍であり、自国の英雄であるマルフーシャの妹スネジンカに最初から目をつけていて、反乱軍の英雄として祭り上げたかったということになるんじゃないかと。
ただ、それが軸とはなっているが、エンディングの種類によって結末は若干変わっている。
個人的にはアニタのストーリーが一番切なかった。
人前では緊張して話せないけどラジオアナウンサーを夢見ており、スネジンカはその相談に乗りながら練習にも付き合う友達になる。
しかし最後アニタは喉をつぶされて声が出なくなり、反乱軍に連れていかれるスネジンカに対して「行くな!」と伝えられずに敵国で生かされる。
そしてアニタが療養中の病院のラジオから、新型自動戦闘装置「sn」を搭載した機械兵部隊の活躍が伝えられたところでエンディングは終了。
まあ、「sn」というのはおそらく。。。
前作はどちらかと言えば仲間が犠牲になっていたが、今作はスネジンカが仲間のために犠牲になるケースが多いように思う。
ただ今作は胸クソエンディングだけではなかった。
唯一エンディングの名を冠していないエピローグはトゥルーエンド後の内容であり、次作を期待させるような中身になっている。
そしてこれは前作をプレイしないと意味が分からないので、絶対に前作プレイをオススメしたい。
さらに言えばきっと出るであろう次作を待ってからまとめてプレイするのもそれはそれで良いのではと思ってしまう。
まとめ
いかがだっただろうか。
救国のスネジンカについて実際にプレイした感想も含めてまとめてきた。
わずか790円なのにまたもや心をかき乱された。こんな体験、なかなかできない。
というか前作からの進化度合いが本当に半端なさすぎる。
2作目でこんなにも変わるものだろうか。そんな衝撃にも浸れるので、そういう意味でも前作のプレイは必須。
キミもぜひ一度お試しあれ。