手を伸ばしても届くスターがここにある。
サッポロビールはこの度、新しい第三のビールを発売することを発表した。
その名は「GOLD STAR(ゴールドスター)」。
なんとサッポロビールの黒ラベルとヱビスのいいとこどりをしたような、贅沢な新商品である。
新商品発表会に、社長が登壇するくらいの気合の入りっぷり。
そんな自信作を、一足先に試飲もさせていただいた。
今回は「【全てパーフェクトなスター】サッポロ”ゴールドスター”爆誕」と題し、GOLD STAR(ゴールドスター)についてまとめていこうと思う。
徹底的な箝口令(かんこうれい)が敷かれていた新作発表会
私も何度となくこういう発表会には参加しているが、今回は異例だったように思う。
通常、新商品と言えどもそういう案内が来る時点で、既に新商品のパッケージや概要などは公開される。
しかし今回のサッポロビールの発表会については、事前に送られた案内状にも商品に関する情報は全くなく、何の新商品かもわからない状況だった。
関係者の方に話を伺っても何の新商品なのかというのは、徹底的に箝口令(かんこうれい)が敷かれていた。
新作発表会はサッポロビール本社1階の講堂で行われたが、当日訪れた際、テーブルに置かれていたのは進行のレジュメや試飲用のプラスチックコップ程度。
そして、発表会のスタートまで数分となったところで、ようやく新商品に関する資料が配られた。
最初はサッポロビールの代表取締役社長である、高島英也さんの挨拶から始まったが、これもなかなか無いことなんだとか。
商品への本気度が窺える。
ヱビス(ゴールド)と黒ラベル(スター)の夢のコラボ「GOLD STAR(ゴールドスター)」
満を持して発表されたのは、「GOLD STAR(ゴールドスター)」という新商品。
ビールでも発泡酒でもなく、新ジャンル。
いわゆる第三のビールである。
しかしこの第三のビールは、ひと味もふた味も違う。
なんと、個人的にも非常に胸アツな、ヱビスと黒ラベルの夢のコラボ。
それはヱビスを象徴するゴールドと、黒ラベルを象徴するスターで商品名が構成されていることにも表れている。
こちらは試作の広告画像らしいが、黒ラベルとヱビスの特長が活きていることをアピールしていく方針は決まっているそうだ。
ちなみにどのあたりがヱビスと黒ラベルのコラボなのかというと、具体的には下記3つのポイントが挙げられる。
・黒ラベルで採用している「旨さ長持ち麦芽」を一部使用
・ヱビスで採用している「ドイツバイエルン産アロマホップ」を一部使用
・黒ラベルとヱビスの仕込み方法であるダブルデコクション法を採用
どっちに転んでも贅沢すぎる。
ヱビスでもあり得ないし、黒ラベルでもあり得ない。
まさしくゴールドスターだけの特長と言える。
ちなみにダブルデコクションというのは、仕込み工程で煮沸工程を2回繰り返すことによって、濃厚な麦汁を作る製法のことだそうだ。
ゴールドスターと麦とホップでツートップ戦略
ただ、第三のビールであるゴールドスターに違和感を唱える声もあった。
サッポロと言えば、麦とホップという長年育ててきた新ジャンルの定番商品がある。
その麦とホップも、2019年8月にリニューアルしたばかり。
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なのにどうして麦とホップと同じ第三のビールの新商品を出すのか。
そこにはツートップ戦略という考えがあるようだ。
麦とホップはいわゆるビールをずっと飲んできた、比較的年齢層が上の世代。
一方新しいゴールドスターは、ビールだけでなく第三のビールも飲んできた比較的年齢層が下の世代。
麦とホップは最近のリニューアルでもそうだったように、よりビールに近い味を目指していき、ゴールドスターはそれとは違うベクトルで美味しさを目指していくとのこと。
あくまでも大事なのは「おいしさ」と何度も語っていた。
他社が機能性や高アルコールに活路を見出す中、ひたすらおいしさを追求するサッポロビール
個人的には他社が機能性を謳うものや、高アルコールの第三のビールを発売する中、ターゲットは違えど、ハッキリとした違いがわかりにくい新商品を発売することが気になっていた。
実際サッポロ側も迷うところはあったらしい。
しかし、新ジャンルに求める価値というアンケートに対する、顧客の回答結果が目を覚まさせてくれたそうだ。
「メーカーの自信や本気度が感じられる商品は購入したくなる」という回答が90%で、一番多かった。
その美味しさへの期待が、機能性などではなくおいしさへの追求につながったそうだ。
個人的には次に回答の多い「新ジャンルはできるだけ、ビールに近い商品を選ぶ」も1つのポイントかと思った。
結局第三のビールに関しては機能性やアルコールの強さではなく、「おいしくてビールに近いものを安く飲みたい」という要望が一番高いということだろう。
消費税は上がったし、ポイント還元施策も早晩終わりを迎える。
より高まるであろう節約志向に対し、サッポロはあくまでもおいしさのツートップで攻めていくつもりのようだ。
あとは機能性は謳ってはいないものの、糖質が他の第三のビールや麦とホップと比べても少なめなのは嬉しいポイントじゃないだろうか。
多分普通のビールや第三のビールは、100mlあたり3g~4g程度のものが多いように思う。
そして、糖類が入っていないのも自信の表れというか、素材で勝負している感がある。
ツートップを早速飲み比べてみた
そんなわけで早速、これからのサッポロのツートップになるゴールドスターと麦とホップを飲み比べてみた。
ゴールドスターをコップに注ぐとこんな感じ。
個人的には、結構しっかり泡が出てくれるし、泡がすぐには消えない印象だった。
飲んだ感じは力強さがありながらも、スッキリした飲み口。
飲んでいると、確かにビールと比べてもあまり違和感はない。
ただ、ビールへの近さという意味ではアピールしているだけあり、麦とホップに軍配があがる。
麦とホップのほうが力強さがあり、飲みごたえがあるように感じた。
あくまでも、私の感想ではあるが。
しかし、より色々な料理とのマリアージュを楽しめたり、飽きの来ない味わいという意味では少しだけゴールドスターに分があるように思う。
ヱビス派の私も決意が揺らぎかける味わいだった。
ダテに美味しさを追求していない。
まとめ
いかがだっただろうか。
麦とホップとゴールドスター、それぞれが競い合ってより美味しくなってくれることを期待したい。
そして今回の発表会で、ビールについてもよりおいしさを追求していくとおっしゃっていた。
安くて美味しいアルコール飲料の選択肢が増えるのは、私やキミだけじゃなく、誰にとってもきっとウィンウィンなんじゃないかと。
ともあれゴールドスターは、2020年2月4日(火)より発売がスタートする。
何はともあれキミにはとりあえず飲んでみてほしい。