キミはどんな作品が人の心に残ると思うだろうか?
感動できる話?
思いっきり笑える話?
濃厚なラブストーリー?
それらはもちろんだが、それ以外にも心に残る作品はあると思う。
それは絶望や儚さを感じる重苦しい作品。
溶鉄のマルフーシャというインディーゲームは、まさにそんな意図を持って作られたと思う。
今回は「【ネタバレ注意】溶鉄のマルフーシャを勧めたいけど勧めたくない」と題し、溶鉄のマルフーシャについてまとめていこうと思う。
すべてのエンディングを見た上でのネタバレを含む内容になっているので、キミがこれからプレイしようと思うのであれば離脱をオススメする。
溶鉄(ようてつ)のマルフーシャとは?
溶鉄のマルフーシャは、イラストレーター兼個人開発者のhinyari9さんが制作したハイテンポガンシューティング。
steam、ニンテンドースイッチ、PS5、PS4、XBOXでプレイできる。
ゲームについては下記のとおり紹介されている。
2.5Dのドット絵で描かれたディストピア世界で国境の門を守る衛兵の少女マルフーシャとなり、迫りくる敵から門を防衛します。
次第に手強くなる敵に備え、税金控除で少ない給与の手取りからカードを購入し、キャラクターを強化しましょう。
※溶鉄のマルフーシャのゲーム紹介より
メインモードとチャレンジモードが用意されており、メインモードは1日単位で計100日間機械兵と戦い続け、チャレンジモードは生存日数ランキングで世界中のプレイヤーと競える。
カードには武器やパラメーターアップ、味方の兵士などがあり、味方の兵士はチャレンジモードでプレイアブルキャラクターとしても使える。
操作自体は実にシンプルになっており、私はスイッチでプレイしたが戦闘で使うのは基本的にLRスティックとRボタン。
特殊な武器を使ったり、会話パートでは他のボタンも使うが非常にカンタンである。
そんな簡単操作なのに爽快感があってサクサク進み、コントローラーの振動から何となく撃ってる感もあったりで心地良い。
まさしくハイテンポシューティングである。
開発者の術中にまんまとハマる。ハッピーエンド無きエンディングたち
エンディングは全部で10個用意されており、一応私はすべてを見ることができた。
普段こういうゲームをあまりやらない私でも制覇できたので、難易度はそこまで高くはないし何よりプレイ時間が短いのも嬉しい。
1回の戦闘は数分で終わり、メインモードのクリア時間も1時間程度。
やり直しもそこまで苦にはならない。
そして10個のエンディングは一応9個のバッドエンドと1個のグッドエンドとなっているが、どれもこれも本当に救いが無い。
というか言葉を選ばずに言えば胸糞である。
マルフーシャの国の上層部も酷いが、敵国の上層部も本当に救えないというか、たちの悪さと言う意味では上かもしれない。
マルフーシャは機械兵と戦い続けるわけだが、その機械兵の頭脳には敵国の捕虜(=マルフーシャの国の国民)が使われているのである。
そしてほとんどのエンディングでは、マルフーシャと仲間は殺されるか捕虜(=機械兵の頭脳)にされる。
唯一のグッドエンドもマルフーシャは生き残るものの、一緒に戦った仲間は見捨てられてしまう。
ただグッドエンドはタイトルの回収と、次回作を想起させる内容になっており、開発者のhinyari9さんも次回作の構想があり、制作のために動いている旨を2022年9月のインタビューで語られている。
とはいえトラウマレベルのエンディングだけにしたのは意図があり、「たとえ傷跡でもよいので遊んでいただいた方に強く記憶に残る内容にしたかった」とのこと。
そしてマルチエンディングには周回プレイへの動機づけが意図されており、筆者はまんまと術中にハマって全エンディングを出してしまったし、傷跡が残ってこうして記事にまでしている。
恐ろしい子・・・!
まとめ
いかがだっただろうか。
溶鉄のマルフーシャについてまとめてきた。
ストーリーに関しては賛否あるとは思うが、ゲームとしての完成度は高く、1,000円前後で購入できるのでコスパも高い。
個人的に最近積みゲーが多くなってしまっているが、こちらは夢中になってクリアすることができた。
とはいえ相当重い内容なので安易には勧められない。
それでも大丈夫であれば、キミもぜひ一度お試しあれ。