もはや市民権を得ている感のある、格安SIM。
正式にはMVNOという名称だが、呼びにくいしそもそも格安SIM自体ピンと来ない人もまだまだいる。
それ以前の話として、
「なんで安いの?」
「何が違うの?」
「どうやって申し込むの?」
などは当然浮かんでくる疑問なのではないかと。
今回は「結局何が違うの?格安SIM(MVNO)のメリットデメリットまとめ」と題し、そもそも格安SIMとは何なのか、そして、通常のキャリアと結局何が違うのかについてまとめていこうと思う。
格安SIM(MVNO)とは?
MVNOはMobile Virtual Network Operatorの略で、日本語に訳すと仮想移動体通信事業者。
正式な名称はともかく、いわゆるdocomo、au、ソフトバンクと何が違うのかというと、自分たちで通信網を持っていないのが大きな違いと言える。
カンタンに言えば、docomoやauの通信網を間借りしてサービスを提供しているのが格安SIMの業者というわけである。
無数にある格安SIM業者の違いとは?
数年前は数えるほどしかなかった格安SIMの業者も、ここ最近でかなり多くなった。
おかげで差別化もかなり難しくなっている感はあるが、一番の大きな違いはdocomo系とau系があること。
マニアックな話になって恐縮だが、docomoとソフトバンクは同じ通信網を使っているが、auはその2つのキャリアとは別の通信網を使っている。
世界的に見てもdocomo側のほうが多数派だが、auのほうもゼロではなく、色々なしがらみがあって変わっていない。
ただ、そういう背景もあって、どちらかと言えばdocomo系のMVNOが圧倒的に多い。
キミがdocomoであれば選択肢はかなり多いが、auの場合は残念ながらそこまで多くはない。
比較的老舗で、docomo系もau系もカバーしている通信事業者としては、mineo(マイネオ)とIIJmio(アイアイジェイミオ)という2つが挙げられる。
mineo(マイネオ)
サービス開始当初から、数少ないau系を扱う格安SIM業者として有名だった。
ちなみに私はマイネオにお世話になっている。
IIJmio(アイアイジェイミオ)
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キミはIIJという会社をあまり知らないかもしれないが、実はインターネットを日本に初めて持ち込んだ会社である。
インターネットのメインとなる回線というのは、本当に物理的な線が地下を通って海外まで繋がっているんだが、日本が所有しているのは確か2、3本で、その内の1本はIIJが所有している。そしてもう1本はNTT。
以前はdocomo系のみだったが、現在はau系も扱っている。
格安SIM(MVNO)の5つのデメリット
ではここからは、実際に何が違うのかについてまとめていこうと思う。
まずはデメリットから。
格安SIM(MVNO)のデメリット1:手続きに不安が伴う
格安SIMを扱う通信事業者は、基本的にショップを持っていなかったり、あっても少なかったりする。
そのため手続きや設定などは、自分で調べて行う必要がある場合がほとんどである。
一応ホームページなどに手続きの流れや設定の方法などは載ってはいるが、確信を持って作業できない可能性もある。
というか私は非常に不安だった。
ただ、今は私が申込んだ当初よりはやさしくなっており、事業者によってはチャットでのサポートなども実施している。
あとはこれと関連するだろうが、故障やトラブルなどの時のサポートにも難があると言わざるを得ない。
相談するショップはないし、修理という話になったら相当面倒くさいのではないかと。
というかその場合は割り切って、新しい機種を買ったほうが良いかもしれない。
格安SIM(MVNO)のデメリット2:キャリア特有のサービスが使えない
auであればスマートパス、ドコモであればスゴ得コンテンツなど、キャリアで提供しているサービスがあるが、当然のごとくそれは使えない。
あとは当然のことではあるが、いわゆる「docomo.ne.jp」のようなキャリアのメールも使えない。
ただこれに関してはGmailがあるし、それ以前に今やLINEでのやり取りがメインになっているので、個人的にはそこまで不便を感じなかったし、キミも近いものがあると思う。
個人的には公衆無線LANのサービスが使えないのが結構痛い。
月額数百円で契約できる公衆無線LANもあり、私も何社か使ってみたが、使えるエリアや制限がキャリアのものには遠く及ばない。
頻繁に公衆無線LANを使っているなら、格安SIMはやめたほうが良いかもしれない。
格安SIM(MVNO)のデメリット3:LINE(ライン)の年齢認証ができない
地味に面倒くさいのがコレ。
LINEの年齢認証がどういう時に必要なのかというと、メインはID検索。
LINEのIDだけを教えてもらって、それで友だちに追加しようと思った時に、格安SIMでは年齢認証ができないのでID検索ができない。
ただこれも格安SIMが結構普及してきている背景があるので、改善される可能性はあるんじゃないかと個人的には思っている。
あとは裏ワザ的かもしれないが、パソコンにLINEをインストールすれば、そこからID検索は可能である。
要望があればパソコンへのLINEのインストール方法や、ID検索の方法などもまとめていこうと思っている。
格安SIM(MVNO)のデメリット4:機種によってはテザリングが使えない
特にiPhoneには多い。
テザリングを使っていないなら問題はないが、事前にチェックをしておくことをオススメする。
格安SIMの通信事業者のサイトにアクセスすれば、ほとんどの場合は対応機種や、テザリングの可否をまとめた表がある。
逆にそういうものがない事業者は、いくら安くてもやめておいたほうが良いと思う。
格安SIM(MVNO)のデメリット5:動画やゲームのヘビーユーザーには不向きかも
メールやLINEのやり取り、ウェブサイトのチェック程度であればそんなに気にならないが、格安SIMの通信網はあくまでも間借りしているもの。
最優先はキャリアであることは当然だし、範囲や量には自ずと限界がある。
私はスマホゲームはやらないし、スマホで動画を見ないので不便を感じることはないが、おそらくキミがヘビーユーザーなら遅さや不便を感じると思う。
というかそこまで大容量のプランがある格安SIM業者は多くないので、ヘビーユーザーならそもそもの使用量の部分で引っかかるかもしれない。
格安SIM(MVNO)の5つのメリット
デメリットを知ってもらった上で、次はメリットをお伝えしていきたい。
格安SIM(MVNO)のメリット1:安い
格安SIM第一の、そして最大のメリットはこれじゃないだろうか。
何と言っても、格安SIMというくらいである。
正直料金だけを聞くと、大手キャリアを使っているのがバカらしく感じるかもしれない。
実際の私の先月の利用状況はこんな感じである。
デュアルタイプ(5Gコース)基本料 2,462円
通話料 345円
SMS送信料 45円
各種ダイヤルサービス通話料 97円
ユニバーサルサービス料(mineo) 3円請求額合計 3,511 円
いかがだろうか?
スマホを分割で購入していない分の安さはあるが、仮に月2,000円の本体購入代金がかかったとしても、5,511円である。
私の知る限りたとえSIMカードのみの契約でも、同じ条件で同じ金額にするのはキャリアでは不可能だった。
docomoやauと契約していた時は、本体購入代金込みとはいえ10,000円近く払っていたので、本体を差し引いたにしても毎月4,000円位は節約できている計算になる。
大手キャリアには2年縛りがあるが、期間の途中で解約してもかかるのは10,000円程度。
3ヶ月もあれば十分に元は取れる。
格安SIM(MVNO)のメリット2:データ通信をたくさん使わない人に優しい
今でこそ少ない容量のプランもできてきたが、それでもまだまだバリエーションが多いとはいえない。
しかし格安SIMはほとんどの場合、1GB刻みでデータの制限量を設定できる。
メールやちょっとした調べ物がメインであれば、そうそう何GBもの容量を毎月使うわけでもない。
繰り越せたり、家族と分け合えるかも知れないが、決して得にはなっていないのである。
繰り越せたとしても毎月使わなければ溜まっていく一方だし、昔と同じであれば一定期間を過ぎれば繰越分はなくなる。
そもそも毎月そこまで使う予定がなければ、いくら繰り越せようが何の意味もない。
家族で分け合える場合も家族は嬉しいかもしれないが、自分が嬉しいことはあまりない。
マイネオの場合は基本データ容量が500MBのプランもある。
さすがにこれでも「毎月余り過ぎる」ということはないだろう。
格安SIM(MVNO)のメリット3:契約年数の縛りがない
全部が全部そうではないが、少なくとも大手キャリアほど酷くはない。
例えばマイネオの場合は基本的に契約年数の縛りはないが、12ヶ月以内にMNP(ナンバーポータビリティー)で他社に契約する場合は、MNP転出手数料として12,420円(税込)かかる。
しかしこれも13ヶ月目以降は2,160円(税込)という通常の金額になるし、13ヶ月目以降は「更新月」などの設定はない。
大手キャリアは大体の場合2年縛りで、契約更新月という設定があり、それ以外で解約すると違約金が発生する。
キミも過去に悩まされた経験があるかもしれないが、そういう意味では格安SIMは安心して契約や解約ができる。
格安SIM(MVNO)のメリット4:ショップに足を運ぶ必要がない
これは人によるかもしれないが、個人的にはかなりメリットに感じた。
ドコモショップやauショップなどに足を運ぶのはそもそも面倒だが、行ったら行ったでいつも混んでいて待たされる。
契約をしようと思ったらかなりの時間を覚悟する必要があるだろう。
これは家電量販店であってもおそらくあまり変わらないはず。
しかし格安SIMであれば、自宅で申し込みを完結できる。
もちろん自宅じゃなくても、ネット環境があれば好きな場所で契約が可能だ。
申し込めば数日でSIMカードや契約書類、あとはスマホを注文したのであればスマホが自宅に届けられる。
切り替えが終わるまで時間を潰したり、順番待ちで長時間待たされる必要は全くない。
格安SIM(MVNO)のメリット5:場合によっては今使っているスマホをそのまま使える
事前に必ずチェックする必要はあるが、新しいスマホを購入せずに、そのままSIMを差し替えれば使える場合もある。
というか私はそうだった。
これであれば機種を有効活用できるし、費用も相当抑えられて一石二鳥である。
デメリットのところで少しお伝えしたが、対応の機種やテザリングの可否については格安SIM業者ごとに一覧表があるので、そちらをチェックしてみて、そのまま使える事業者を選ぶのも、1つの選び方かもしれない。
まとめ
いかがだっただろうか?
格安SIM(MVNO)のデメリットとして、
1:手続きに不安が伴う
2:キャリア特有のサービスが使えない
3:LINE(ライン)の年齢認証ができない
4:機種によってはテザリングが使えない
5:動画やゲームのヘビーユーザーには不向きかも
格安SIM(MVNO)のメリットとして、
1:安い
2:データ通信をたくさん使わない人に優しい
3:契約年数の縛りがない
4:ショップに足を運ぶ必要がない
5:場合によっては今使っているスマホをそのまま使える
という具合に、それぞれ5つずつご紹介した。
これを読んでキミがどういう判断をするかはわからないが、個人的にはやはり格安SIMをオススメする。
もしスマホゲームや動画のヘビーユーザーなら、これを機にやめるのも1つの方法である。