キミは「浅草」と聞いて、何を連想するだろうか?
浅草寺?
花やしき?
東京の下町?
そもそも「浅草」って何?
どれも正しいが、これからは「神谷バー」もその中に入れてほしい。
神谷バーは日本で初めてのバーであり、創業はなんと1880年。
ただ「バー」だと思って、かしこまってしまう必要はまったく無い。
今回は「【1人でも案ずるな!】浅草神谷バーのシステムやオススメメニューまとめ」と題し、神谷バーとはそもそもどんなお店なのか、名物やオススメのメニューなどについてまとめていこうと思う。
浅草に誕生した日本最古のバーである、神谷バー
冒頭書いたとおり、神谷バーの創業は1880年(明治13年)。
当初は「みかはや銘酒店」という名称であり、酒の一杯売りがメインだった。
それから現在のような西洋風の建物に建て替わり、屋号が「神谷バー」になったのは1912年なので、創業から30年ほどは経っている計算である。
しかしそれでも100年以上前なので、やはり深い歴史がある。
そして現在も店舗として使われている建物は、1921年にできあがった。
浅草という立地の影響もあり、下町の老若男女はもちろんのこと、多くの文豪にも長く愛され続けている。
ちなみにこのビルは、2011年(平成23年)10月28日に登録有形文化財に登録されている。
神谷バーといえば、電気ブラン(デンキブラン)
神谷バーを語る上で欠かせないのは、何と言っても電気ブラン。
デンキブランは神谷バーの創業者である、神谷傅兵衛が生み出したカクテルである。
私は何度か飲んだことがあるが、ずっとウィスキーとかバーボンなどの一種なのかと思っていた。
しかし実際は、ブランデーをベースにジンやワインキュラソー、薬草などがブレンドされているそうである。
ただその分量は秘伝とのこと。
電気ブランの「ブラン」は、ブランデーの「ブラン」。
そして「電気」は、その当時電気が非常に珍しく、革新的だったり目新しいものが登場すると「電気○○」と表現されていたそうだ。
「電気ブラン」はその目新しさと、当時のアルコール度数45度という強烈さから、「電気ブラン」の名がつけられた。
ビールをチェイサーに電気ブランをたしなむのが神谷バー流
神谷バーでは、デンキブランと一緒に生ビールを飲むことをオススメしている。
デンキブラン自体が珍しいものではあるが、実は神谷バーで飲める生ビールは特別な生ビールである。
提供される生ビールは、アサヒのスーパードライ。
かつて数多く販売されたドライビールの中で唯一残っているビールであり、日本人にとって非常に馴染みが深いビールとも言える。
そして浅草は、そんなスーパードライを製造するアサヒビールの本社ビルがある街である。
そのため、工場直送の新鮮な生ビールをいただくことができる。
この組み合わせは、神谷バーでしか味わうことができない。
神谷バーの外観
そんな神谷バーの外観はこんな感じである。
とてもじゃないが、100年近い歴史を持つ建物とは思えない。
ちなみに神谷バーのあるビルは、
1階:神谷バーと売店「神谷バー賣場」
2階:レストランカミヤ
3階:割烹神谷
という構成になっている。
お酒が飲めない場合や、食事を楽しみたい場合には2階や3階に行ってみるのも良いかもしれない。
神谷バーのシステム
神谷バーのシステムは、料金先払い。
まずは最初に、入ってすぐにあるレジで食券を購入する。
メニューや価格については、ショーウィンドウにサンプルが並べられているので、そちらを参考にすると良いだろう。
食券を買い求めた後はテキトーに席を探して座れば、店員さんが食券を半分に切って持っていってくれる。
ベテランの店員さんになると、片手だけで器用に半券を切って持っていくので見ものである。
そして追加の注文をしたい場合はわざわざレジまで行く必要はなく、店員さんを呼んでその場でお金を払えばオーダーができる。
1階の神谷バーはクレジットカードが使えず、現金のみ。
ただ明朗会計だし、お通し代がかかることもないので、健全に飲むことができる。
神谷バーのドリンクについて
神谷バーのドリンクメニュー
ちなみに神谷バーのドリンクはこんな感じである。
最近は安いチェーン店が多いので、そこまで安いという感じではないが、別に高くはないという感じである。
神谷バーの生ビールは小ジョッキで十分
私は今回初めて神谷バーに行ったのだが、生ビールは「とりあえず」という感じで中ジョッキを頼んだ。
そして出てきた中ジョッキがこちら。
デカさが、伝わるだろうか?
神谷バーの「中ジョッキ」は、普通の店の大ジョッキぐらいのイメージである。
神谷バーで大ジョッキを頼むと、一体どうなることやら。。。
もちろんグビグビ飲みたいとか、ビールしか飲まないのであれば中ジョッキでも問題はない。
ただ私のように色々な種類を飲みたいとか、あまり飲むスピードが早くないのであれば小ジョッキで十分と言える。
ビールは冷たいうちに飲みきりたいものだ。
神谷バーのもう一つの名物 ハチブドー酒
神谷バーのもう一つの名物と言えるのは、ハチブドー酒。
あえて漢字に直すなら、蜂葡萄酒、だろうか。
要はワインにはちみつを加えて、日本人好みにアレンジしたお酒である。
こちらの人気があり過ぎて、甘口のワインがなかなか普及しなかったという話もあるくらい、長く愛され続けているお酒なんだとか。
私はそんなハチブドー酒で作ったサングリアを炭酸で割ったという、ハチブドーパンチをいただいた。
ハチブドーパンチ 420円
ワインではあるがはちみつやフルーツのおかげかまろやかで、非常に飲みやすくさわやかだった。
歴史を感じる 電気ブラン<オールド>
あとは、電気ブランのオールドもいただいた。
電気ブラン<オールド> 370円
通常の電気ブランとは、グラスが少し違う。
あとはアルコール度数に違いがあり、通常の電気ブランは30度で、オールドは40度である。
販売当初は45度なので、オールドとは言っても当時には及ばないものの、40度のアルコールはなかなかにパンチ力がある。
飲む時には、チェイサーは必須だ。
そういえば、電気ブランもハチブドー酒同様に普通に購入はできる。
できれば飲みたかった、神谷バー×カルピス
私が行った時は、「今月のおすすめカクテル」として、神谷バー×カルピスというのをやっていた。
残念ながら時間がなくて飲むことができなかったが、キミが行った時にメニューがあったら、是非試してみてほしい。
神谷バーのフードについて
神谷バーのフードメニュー
神谷バーのフードメニューはコチラ。
メニューが多すぎて目移りしてしまうが、私が頼んだのは4品。
神谷バーのフード1:ごま塩きゅうり 420円
ベタなメニューではあるが、特に夏場には嬉しい。
ビールとの相性も抜群だし、時間の経過に左右されないので、おつまみには最適と言える。
神谷バーのフード2:カマンベールチーズ揚げ 630円
これまたベタなメニューであるが、間違いがない。
添えられているのはおそらくただのケチャップではなく、もう少し複雑な味がした。
さりげない野菜も嬉しいが、熱々のうちに食べていただきたい一品である。
神谷バーのフード3:煮穴子の炙り 680円 ※あればオススメ
煮穴子の炙りは、「今月のおすすめ料理」の1つだった。
季節商品なのでキミが行った時にあるのかはわからないが、あれば頼むことをオススメする。
実際の商品はこんな感じである。
味がしっかりと染み込んでいて、そのまま食べても美味しいし、わさびをつけると味の変化を楽しめる。
あとは個人的に、きゅうりの漬物の細工に感動した。
こういうことに気を配れるのは、すばらしいと思う。
神谷バーのフード4:豚肉の塩漬け 610円 ※オススメ
個人的には、トンテキのようなものが出てくるのかと思ったが、まったく予想だにしないものが出てきた。
ミートローフのようなもの、とでも言うべきだろうか。
細かい材料などはわからないが、食感も味覚も様々なものが入り混じって複雑な美味しさだった。
これは他のお店や居酒屋ではなかなかお目にかかれないシロモノだと思うので、キミが行った時にはともあれ頼むことをオススメしたい。
余談:神谷バーの超常連と、何だか語り合ってしまった
そこまで頻度は多くないものの、私は1人でお店に入ることはままある。
特に地方だと多いが、地方で誰かから声をかけられたことは今まで無かった。
しかし今回神谷バーで、常連と思われる方から話しかけられた。
そういう交流も下町ならではと言えるのかもしれない。
その常連さんは年配だがテーブルに肘をつくことなく、姿勢良くずっと酒と食事を楽しんでいた。
何ともしっかりしていると思って見ていたが、私に話しかけてきた時にはグラタンがずっと顔についたままだった(笑。
そんなゆるい感じも含めて、神谷バーなのかもしれない。
まとめ
いかがだっただろうか?
・神谷バーが日本最古のバーであること
・神谷バーの名物は電気ブラン(デンキブラン)
・神谷バーの外観
・神谷バーのシステム
・神谷バーのドリンク
・神谷バーのフード
などについてまとめてきた。
キミが都内近郊に住んでいたり、職場がそのあたりならば、一度は神谷バーに足を伸ばしてみることをオススメする。
きっと、古き良き日本に思いを馳せることができるはず。