私の生まれて初めての海外旅行は、サイパンだった。
そんなサイパンでひたすら飲んだのはミラー。
日本ではなかなかお目にかかる機会が無かったが、このほど”ミラージェニュインドラフト”が本格投入されることが決まり、先日その取材に行ってきた。
今回は「【ビール業界の新たな黒船】ミラージェニュインドラフトの製品発表会レポート」と題し、ミラージェニュインドラフトとはどんなビールなのか、当日の様子、実際に飲んだ感想などをまとめていこうと思う。
前身であるミラーは1855年創業のアメリカの老舗ブルワリー
ミラーを販売するモルソンクアーズは、元々モルソン、ミラー、クアーズという3つのブルワリーだったが、合併や買収を経て、現在は世界5位のブランドになった。
3つとも歴史は長くミラーの創業は1855年、クアーズは1873年で、モルソンにいたってはなんと1786年である。
日本で最初のブルワリーは1869年だというから、どのくらい古いのかはわかっていただけるはず。
ちなみにモルソンクアーズジャパンは1995年に設立された。
ミラージェニュインドラフトは世界70か国以上で1日に500万本以上飲まれている
そんな”ミラーブランド”から今回投入されるのは、ミラージェニュインドラフト。
ブラックとゴールドが印象的なパッケージである。
ゴージャスさからある程度想定できるとおり、価格帯としてはどちらかと言えばプレミアムビールなどの路線になる。
しかし日本のプレミアムビールのように苦みやコクなどはそこまで強くなく、どちらかと言えばすっきりと飲みやすい。
一般的なビールはアルコール度数5~6%だが、ミラージェニュインドラフトは4.5%。
一杯目にはもってこいというわけである。
コールドフィルター製法により”生ビール”として販売
そして個人的に驚いたのは、ビンが透明ということ。
一般的にビールのビンには色が付いているが、それには実はわけがある。
ビールは非常にデリケートな飲み物で、振動や温度変化、そして日光に弱い。
それを防ぐために色が付いているのが一般的だが、ミラージェニュインドラフトはそれをしなくても問題無いような品質なんだろうと思う。
コールドフィルター製法という独自の製法を用いており、これによって他にないキレのある生ビールを作ることに成功している。
モルソンクアーズジャパンはジーマ(ZIMA)、コロナ(Corona)を日本に浸透させた実績を持つ
ちなみにこのミラーブランド。
実は今回が日本初上陸というわけではない。
ミラージェニュインドラフトは1986年に全世界に向けて発売されたが、全世界の対象の中に日本も入っていた。
しかし残念ながらほとんどの人の記憶に残ることなく、ひっそりと販売をストップしている。
ただモルソンクアーズジャパンの齊藤幸信(さいとうゆきのぶ)社長は、そういった”手アカが付いていない”ことは逆に強みだと語る。
ブランドイメージが無いからこそ、一から作り直せるということで意欲的だったし、自信も感じられた。
それもそのはずモルソンクアーズジャパンは、ジーマ(ZIMA)やコロナ(Corona)の日本での市場を大きく拡大させた実績を持っている。
そのノウハウが、ミラージェニュインドラフトにも応用される。
”海外ビール戦争”にミラージェニュインドラフトが風穴を開ける
具体的には、「2020年を期に、海外ビールブランドトップ3入りを目指す」とのこと。
ちなみに現在のシェアは下記の通り。
1位 ハイネケン(Heineken)
2位 バドワイザー(Budweiser)
3位 コロナ(Corona)
この3ブランドだけで、なんと日本における海外ビール市場の60%のシェアを占める。
しかし2020年に向けて海外からの観光客はさらに増えるし、異国に来ても慣れ親しんだ味を求める可能性はあるため、世界70ヶ国以上で愛飲されているミラージェニュインドラフトにはアドバンテージがあるというわけである。
銀座男子、六本木男子に提案する”すっきり飲みやすいお洒落なビール”
販売戦略として、まずは主要7大都市にアプローチをかけていくのがメインとなるそうだが、その中でも彼らが重きを置いているのは東京。
さらに近年SNSなどで話題となっている、「六本木男子」「銀座男子」を意識しているそうだ。
それぞれに特徴をまとめておこう。
六本木男子
年齢層:28~35歳
職種:商社・経営者
趣味:セミナー通い
特徴:
・お酒はシャンパンを好み、食事ではもっぱら肉をオーダー
・食事には贅沢にお金をかける方
・馴染みのバーを数店持っている
・場の空気を盛り上げることには自信がある
・ちょっとした時に披露できる雑学ネタも豊富
・身なりには気を使い、ヘアスタイルもひんぱんに変える
銀座男子
年齢層:27~33歳
職種:金融・広告代理店
趣味:フットサル
特徴:
・最初の一杯目は自分が奢るというのがこだわり
・意外にチャラい雰囲気の店での合コンを好む
・お酒もアプローチも精力的にグイグイ行くタイプ
・女子に嫌がられない自然なボディタッチが特技
・人を酔わせることに使命感を持っている
銀座男子に若干違和感がなくもないが、こんなもんなんだろうか。
どちらかというと、新宿とか渋谷という感じがしないでもない。
ただ、「女子に嫌がられない自然なボディタッチが特技」はうらやましすぎる。
ともあれメインターゲットは20代~30代の若年層ということである。
ビール離れが顕著なこの層だが、”すっきりと飲みやすいお洒落なビール”として定着を目指すとのこと。
政府も推進する「夜の経済=ナイトタイムエコノミー」が追い風に
合わせてナイトタイムエコノミーも追い風になる。
ナイトタイムエコノミーというのは、カンタンに言えば「夜に遊べる場所を活性化する取り組み」のこと。
海外からの観光客は増加傾向にあるものの、日本での消費は少なく、「夜に遊べる場所がない」という不満も多々あるらしい。
なので日本政府も2020年に向けて、夜に遊べる場所を活性化する取り組みを進めている。
そしてミラージェニュインドラフトがマーケティングの中心に据えるのは、夜に遊べて外国人も多いという”クラブ”なので、相性は抜群というわけである。
m-floがナイトタイム・アンバサダーに就任
※VERBAL、LISA、☆Taku Takahashi (m-flo)
そんなクラブでのマーケティングにあたり、クラブで長年支持されているm-floを「ナイトタイム・アンバサダー」として起用。
会見では、彼らにとっても馴染みの深いミラージェニュインドラフトのアンバサダーに就任できたことへの喜びを語っていた。
5月には”今までにないイベント”を企画しているそうで、この日は詳細を聞けなかったが、なんとも気になる。
ミラージェニュインドラフトのコンセプトを体現するパーティー
そして夜には六本木のクラブa-lifeにてパーティーが行われた。
訴求するターゲットに向けたゴージャスさやお洒落さ、華やかさがふんだんに感じられるパーティーだった。
そして肝心のミラージェニュインドラフトも試飲し放題。
渡される時にはこんな仕掛けもあり、テンションも上がった。
そしてここからは報道関係以外の一般客も入り、大賑わい。
お酒も入って非常に盛り上がっていた。
ミラージェニュインドラフトを実際に飲んでみた感想
実際にミラージェニュインドラフトを飲んでみた感想だが、特徴として挙げているとおり、非常にスッキリとしている。
コクや苦みは強くなく、炭酸の刺激が強い印象である。
個人的にはヱビスビールが好きなのでパンチの弱さを感じなくもないが、こういうのを飲みたい気分の時もある。
それにビールに抵抗があったり、飲み慣れていない人の入り口には非常に良いと思う。
ちなみにしっかりと栓が閉じられているように見えるが、
このようにマークがある通り、回せば栓抜き無しでカンタンに開けられる。
ただギザギザなので、ハンカチなどで覆って開けることをオススメする。
まとめ
いかがだっただろうか。
ミラージェニュインドラフトについて、下記のことをまとめてきた。
・前身であるミラーは1855年創業のアメリカの老舗ブルワリー
・ミラージェニュインドラフトは世界70か国以上で1日に500万本以上飲まれている
・コールドフィルター製法により”生ビール”として販売
・銀座男子、六本木男子に提案する”すっきり飲みやすいお洒落なビール”
・政府も推進する「夜の経済=ナイトタイムエコノミー」が追い風に
・m-floがナイトタイム・アンバサダーに就任
・ミラージェニュインドラフトを実際に飲んでみた感想
ちなみに発売は2018年5月7日(月)。
容量は355mlで、希望小売価格は278円(税抜)である。
まずは一杯、飲んでみてほしい。